私は、日商簿記2級とFP2級を持っています。学歴がない私にとって、お金の資格を取ったことは、思っていた以上に大きな意味がありました。
先に正直に言うと、この資格だけで年収が上がったわけではありません。それでも、「取ってよかった」と心から思っています。なぜか——今日は、その話をします。
なぜ資格を取ったか
きっかけは、わりと現実的でした。学歴がないから、せめて資格だけでも取っておきたい。最初は「就職の足しになれば」くらいの気持ちでした。
学歴の欄を書くたびに、少し肩身がせまい。そんな気持ちが、ずっとどこかにありました。だからこそ、「学歴のかわりに、何かひとつ、自分の手で持っておきたい」——そんな、お守りみたいな動機です。
今思えば、資格そのものが欲しかったというより、「自分にもできることがある」という手応えが欲しかったのかもしれません。学歴で測られる場面で、何度も小さく傷ついてきた分、”自分で選んで、自分で取った”ものが、ひとつでも欲しかったのだと思います。
簿記2級で得たもの

簿記を勉強して、いちばん変わったのはお金の流れが”見える”ようになったことです。
数字でお金を捉える感覚が身について、家計を管理するのが、ぐっとラクになりました。「なんとなく不安」だったお金が、「把握できるもの」に変わった感覚です。
仕事の面でも、会社の数字やコストの話に、前より物怖じしなくなりました。決算書のような書類も、「まったく分からない」から「少しは読める」に変わったのは、地味だけれど大きな変化でした。
身近なところでは、給与明細の見方も変わりました。額面と手取りの違い、社会保険料や税金がどう引かれているのか——以前は「なんとなく」だったものが、ひとつずつ意味の分かる数字になりました。お金の”中身”が見えると、不安はずいぶん小さくなります。
それに、合格できたときの「自分にもできた」という自信は、想像以上に大きかったです。学歴で自信を持てなかった私にとって、これは小さくない支えになりました。
“自分にもできた”の積み重ねが、いちばんの収穫だったかも
FP2級で得たもの
FP(ファイナンシャル・プランナー)の勉強では、お金の”全体像”が分かるようになりました。
家計だけでなく、保険・年金・税金・投資の基礎まで、お金にまつわる知識がひととおり身につきます。
これが、日常のいろんな場面で効いてきました。たとえば、保険を見直すとき。「この保障、本当に必要?」と自分で判断できる知識が身につきました。年金や税金の仕組みも、ニュースで聞いたときに「自分ごと」として分かるようになりました。
ふるさと納税や、医療費控除のような”知っていれば得をする制度”も、FPの勉強で初めてちゃんと理解できました。お金は、知らないだけで損をしていることが、けっこうあります。その”知らない損”を減らせたのは、派手さはないけれど確かな効果でした。
新NISAを始めるときも、FPで学んだ基礎があったから、過度に怖がらずに一歩を踏み出せた気がします。お金の判断をするときの”地図”を、一枚持てた感じです。
新NISAの始め方|投資初心者がつまずかない3ステップ
資格=収入アップとは限らない
ここは、正直に書いておきたいところです。
資格を取れば収入が上がる、とは限りません。世の中には、収入アップにつながる資格もあれば、残念ながらそうでない資格も多いようです。だから、「何の資格を、何のために取るか」の見極めは、けっこう大事だと思います。
一概には言えませんが、たとえば「その資格がないとできない仕事」や「需要が高い分野」の資格は、収入に結びつきやすいと言われます。逆に、持っているだけで自動的に給料が上がる資格は、実はそう多くありません。だから、「なんとなく良さそう」で飛びつく前に、自分の目的とつながっているかを考えると、ムダになりにくいです。
私の場合、簿記・FPは”お金の土台”としては取ってよかったけれど、これだけで年収が上がったわけではありません。年収を変えた一番の要因は、前回書いたとおり“環境(働き方)”でした。
年収を上げる選択肢|がんばる前に環境を変える
転職のときも、「資格があったから採用された」とまでは言えません。ただ、ないよりは、少しはプラスになっていたはず——これは、あくまで私個人の感想です。
これから取るなら

「興味はあるけど、難しそう」と思う方へ。私のおすすめは、こうです。
まずは簿記3級・FP3級から、独学で。3級は比較的短い時間で取れますし、今はYouTubeにも分かりやすい解説がたくさんあります。市販のテキストを1冊と、過去問。基本はこれで十分でした。
順番でいうと、お金の全体像をざっくりつかみたいならFP3級、数字やお金の流れをしっかり身につけたいなら簿記3級から、が私のおすすめです。3級で「面白い」と思えたら、2級に進む——くらいの気軽さで大丈夫です。
独学でやってみて、「ひとりだと続かない」と感じたら、そのときスクールや通信講座を検討すればOK。私自身、簿記2級は最初スクールに通ったものの続かず、結局すべて独学に切り替えました。お金をかけたから続く、というわけでもない、と実感しました。
モチベーションが続かないときは、「合格」をゴールにしすぎないのもコツです。1日10分でも、テキストを開く。昨日より少しでも分かるようになっていれば、それで十分前進です。完璧に理解してから次へ、ではなく、ざっくり進んで、過去問でつまずいたところだけ戻る——このやり方が、私には合っていました。
大事なのは、焦らないこと。働きながらだと、2級クラスは時間がかかって当たり前です。少しずつでいいので、自分のペースで進めれば大丈夫です。
焦らなくて大丈夫。私も簿記2級は1年かけました
資格より、大事だったこと
最後に、ひとつだけ。
資格は、お金の知識と自信をくれる、いい土台になりました。でも、私の収入を実際に変えたのは、資格そのものではなく、“動いたこと”——働く環境を変えたことでした。
だから、「資格を取ってから動こう」と完璧を目指して立ち止まるより、学びながら動く、動きながら学ぶ、くらいでちょうどいいと思っています。資格は、その一歩を支えてくれる相棒のようなものです。
知識があると、動くときの怖さが少し減ります。「分からないから不安」が「分かるから動ける」に変わる。資格の本当の価値は、肩書きよりも、その”動ける自分”をつくってくれるところにあるのかもしれません。
まとめ
最後に、大事なところだけ整理します。
- 資格だけで年収が上がるとは限らない(主役は”環境”)
- でも、お金に強くなる”土台”と”自信”になる
- 取るなら、収入や目的につながるかを見極めて
- まずは3級から、独学で。焦らず自分のペースで
学歴がなくても、お金の知識は、誰でも・いつからでも積み上げられます。年齢も、これまでの経歴も、関係ありません。それは、一生モノの自己投資だと、私は思っています🐱
