同じように働いているつもりなのに、なぜ自分の年収は低いのか。
そう感じたことはないでしょうか。私は非正規で働いていた頃、ずっとそう思っていました。
答えを探して公的なデータを見ていくと、女性であることと、どんな立場で働いているか、その両方が絡んでいることが見えてきます。
男女の年収差はどれくらいか

最初に、いちばん大きな数字から。
国税庁の調査によると、平均年収は男性597万円に対して、女性は342万円です(令和7年)。
250万円以上の開きです。
別の見方もあります。内閣府の資料では、男性一般労働者の給与水準を100としたとき、女性は76.6とされています(令和7年)。
国際的に見ても、日本はこの差が大きいほうです。男性のフルタイム労働者の賃金の中央値を100としたとき、女性のOECD諸国の平均は89.7なのに対して、日本は79.3です。
年収差の正体は立場にもある

ただ、この年収差を「女性だから」の一言で片づけると、見落とすものがあります。
同じ国税庁の調査で、雇用形態ごとの平均を見ると、正社員559万円に対して、正社員以外(非正規)は210万円です。
300万円以上の差です。
同じ仕事なのに年収が違う理由|学歴より環境の差
そして内閣府の白書でも、正社員は男性の割合が大きく、非正社員は女性の割合が大きいと書かれています。つまり、男女の年収差の一部は、どんな立場で働いているかの偏りから生まれている、ということです。
ただし、立場をそろえれば差が消えるわけでもありません。同じ白書によると、正社員・正職員だけで比べても、男性を100としたとき女性は78.7です(令和7年)。
立場の偏りと、立場をそろえても残る差。どちらか一方ではなく、両方が効いていることが分かります。
女性の特徴はL字カーブ

内閣府の白書に、こういう数字があります。
女性の正規雇用比率は、25〜29歳の62.8%をピークに下がり続ける(令和7年)。
グラフにすると、上がってから落ちていく形になります。アルファベットのLに似ていることから、L字カーブと呼ばれています。
男性のグラフは、この形にはなりません。
女性は年代が上がるほど、正社員の割合が下がっていく傾向がある
年収の男女差は、この線と無関係ではありません。正社員と非正規で300万円以上の差があるなら、正社員比率が下がることは、そのまま年収に効いてきます。
「女性だから給料が低い」という面もあるものの、それだけでなく、「女性のほうが非正規になりやすい構造」が、差をさらに大きくしているのだと思います。
線の背景にあるもの
この線が下がる背景には、結婚・出産・育児が影響しているとされています。
働き方を変えざるを得ない時期が来て、いったん離れたあと、戻るときには非正規になりやすい——そうした事情が重なって、この形になっていると考えられています。
なお、この数字は同じ人を追いかけたものではなく、年代ごとの断面を並べたものですので、個人の歩みをそのまま表した線ではありません。制度や職場の受け皿、家庭の事情が重なった結果です。
だから、この線の上にいる人が「頑張りが足りない」わけではありません。
平均年収との比べ方|落ち込まずに現在地を知る
30代で正社員になった

そのうえで、私自身の話をします。
私は学歴がなく、社会に出てから10年以上は非正規で働いていました。そして30代で、社内の正社員登用で正社員になりました。それから数年はかかりましたが、年収は、非正規時代の3倍以上になりました。
統計の上では、30代は女性の正規雇用の割合が下がっていく年代です。その年代に、私は正社員になりました。
非正規から正社員になるには|現実的な3つのルート
私自身は、結婚や出産で働き方を変える場面がありませんでした。だから、この線の影響を受けにくい立場だったと思います。
あくまで一例だけど、今はいろんなケースがある
条件や環境次第で人それぞれ

とはいえ、「条件が違うから無理」という話でもないと感じています。
私の周りには、既婚で子どもがいる人でも、転職して年収を上げた人がいます。シングルマザーで、転職して年収を上げた人もいます。ひとりではありません。
もちろん、その人たちにはその人たちの事情があり、簡単だったわけではないと思います。ケースバイケースで、一概には言えません。
言えるのは、統計の線は全体の傾向であって、個人の上限ではないということです。下がっていく線の中にも、上がった人はいます。
線は平均の話。一つの参考材料にはなるけど、あきらめる材料にはしない
働き方や今後のことも含めて相談したいなら、女性の転職に特化したエージェントという入口もあります。
type女性の転職エージェントまとめ
改めて、この記事で伝えたかったことです。
- 平均年収は男性597万円、女性342万円(令和7年・国税庁)
- 正社員559万円、非正規210万円。男女差の一部は、立場の偏りから来ている
- ただし正社員同士で比べても、男性100に対して女性は78.7。立場だけでは説明しきれない
- 女性の正規雇用比率は25〜29歳の62.8%がピークで、そこから下がる(L字カーブ)
- 背景には結婚・出産・育児があるとされる。個人の努力不足の話ではない
- 人それぞれ。結婚・子どもの有無に関係なく、年収を上げられる可能性はある
一度きりの人生です。平均の数字をみて落ち込むのではなく、どこを動かせるかを知り、自分が前に進むために上手く活用することで、少し見える景色は変わってくると思います🐱

