「日本の平均年収は460万円」——こういうニュースを見るたびに、非正規社員だった頃の私は、静かに落ち込んでいました。
「平均にも全然届いていない」「私、このまま将来どうなるんだろう」。自分を責めるというより、あきらめと、漠然とした将来への焦りでいっぱいでした💦
ニュースで平均年収が報じられるたびに、胸のあたりがズンと重くなる。「みんなはこんなにもらっているのに、私は……」と、しばらく気持ちが沈んでいました。
でも今は、平均年収の数字との”つきあい方”が、当時とはまったく変わりました。大事なのは、平均に一喜一憂することじゃなく、自分の「現在地」を正しく知ることだと気づいたからです😊
この記事では、平均年収のデータと、その数字に隠れた”ワナ”、そして落ち込まずに自分の現在地を知る方法をまとめました。
平均年収という数字

まず、基本のデータから。
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は460万円です。
(この記事の数字は、最新の公開データである令和5年分の調査に基づきます。ここ数年はベースアップも進んでいるので、今はもう少し上がっている可能性があります)
この数字を見て、「自分は平均以下だ……」とため息をついた経験、ありませんか。昔の私が、まさにそうでした。
でも——ここで落ち込むのは、まだ早いと思います。実はこの「平均」という数字には、知っておくべき”ワナ”があります。
平均以下=ダメ、だと思い込んでた
平均には”ワナ”がある
平均年収460万円。でも、世の中の半分以上の人は、この数字に届いていません。
不思議に聞こえるかもしれませんが、理由はシンプルです。平均は、一部の高収入の人たちに、大きく引き上げられるからです。
たとえば、10人のうち9人が年収300万円、1人が年収2,000万円だとします。すると平均は470万円。でも、9人にとっての”実感”は300万円ですよね。
だから、実態に近いのは「中央値」——みんなを年収順に並べたとき、ちょうど真ん中に来る人の値です。日本の年収の中央値は約350万円で、平均より110万円も低くなっています。
実際、厚生労働省の調査でも、平均より所得が低い世帯は約6割。つまり「平均に届かない」のは、まったく珍しいことじゃありません。
だから、「平均に届いていない=自分はダメ」と結びつけて落ち込む必要は、本当はありません。あなたが見て落ち込んでいた”平均”は、最初から多くの人に届かない数字だった、というだけのこと。私はこの平均値と中央値を知ったとき、肩の力がふっと抜けました。
年代・性別で全然違う
もうひとつ大事なこと。平均年収は、年代や性別で大きく変わります。
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20代前半 | 267万円 |
| 20代後半 | 394万円 |
| 30代後半 | 466万円 |
| 50代後半(ピーク) | 545万円 |
さらに男女差も大きく、男性569万円に対して、女性は316万円(令和5年)。
そして、雇用形態でも差は大きく開きます。同じ調査で、正社員の平均は530万円なのに対し、正社員以外(非正規)は202万円。その差は300万円以上です。
つまり、20代の自分を「全体の平均460万円」と比べて落ち込むのは、そもそも比べる相手が違います。比べるなら、同じ年代・近い立場の人と。
非正規だった頃の私が、全体の平均と自分を比べて落ち込んでいたのは、今思えば”二重に”見当違いでした。年代も、雇用形態も、置かれた条件がまるで違うのに、たったひとつの数字とだけ比べて、勝手に落ち込んでいたのですから。
比べる相手を間違えると、必要以上に落ち込んじゃう
自分の現在地の調べ方
では、落ち込まずに現在地を知るには、どうすればいいか。コツは3つです。
- 「額面」で比べる(手取りではなく、税込みの年収で。平均年収のデータは額面ベースです)
- 同じ年代・同じ雇用形態と比べる(全体平均ではなく、自分に近い層と)
- 「足りない額」より「次に何ができるか」を見る
具体的には、国税庁や厚労省のデータ、転職サイトの年収診断などで「自分の年代・職種・雇用形態の平均」を調べると、より実態に近い比較ができます。たとえば30代の女性なら、「全体平均460万円」ではなく「30代・女性」あたりの数字を見たほうが、ずっと現実的です。ニュースで流れる「全体の平均」ひとつだけを基準にしないことが大切です。
そして特に3つめが大切です。現在地は、落ち込むために知るのではなく、「次の一歩」を考えるために知るもの。ここを間違えると、ただ落ち込んで終わってしまいます。
過去の自分と比べる
もうひとつ、私が救われた考え方があります。それは、比べる相手を「他人」から「過去の自分」に変えることです。
他人や平均と比べていると、上には上がいて、きりがありません。でも、半年前・1年前の自分と比べると、「あのときよりは、ちょっと前に進めたかな」と思える瞬間が、意外と見つかります。
借金で頭がいっぱいだった頃の私と、少しずつ返済が進んだ頃の私。年収も、気持ちの余裕も、確実に変わっていました。その”小さな前進”を物差しにするようになってから、平均年収の数字に振り回されることが、ぐっと減りました。
現在地を知る本当の意味
正直に言うと、非正規時代の私は、現在地を「自分を落ち込ませる材料」にしていました。平均と比べてはため息をつき、将来を悲観して、あきらめモードに入っていく——その繰り返しでした。
でも、正社員になって少しずつ年収が上がっていく中で、見方が変わりました。
現在地は、「今ここにいる」というスタート地点であって、ゴールでも、自分への評価でもない。低い場所にいるなら、「じゃあ、どうやって上げていこうか」と考える材料にすればいい。
その視点に立てたとき、平均年収のニュースは、もう私を落ち込ませる数字ではなくなっていました。同じニュースでも、「自分がどこを目指したいか」を持っているかどうかで、受け取り方はこんなにも変わるんだなと、今は思います。
そもそも、なぜ環境で年収がこんなに変わるのか——という話は、前回の記事でくわしく書いています。あわせて読むと、現在地の”次”が見えやすくなると思います。
同じ仕事なのに、なぜ年収が違うのか
現在地は、変えられる

ひとつだけ、声を大にして言いたいことがあります。
今いる現在地が平均より低くても、それは「ずっとそこにいる」という意味ではありません。
非正規時代、私の年収は世間の平均から、かなり遠い場所にありました。でも、正社員になって、増えた収入を少しずつ積み重ねていくうちに、気づけば非正規時代の3倍以上に。現在地は固定された評価ではなく、これから動かせる出発点です。
もちろん、運やタイミングもありますし、簡単な道のりでもありませんでした。それでも、「自分の現在地はここ。じゃあ次はどう動こう」と考えられるようになっただけで、毎日の気持ちは、ずいぶん軽くなりました。
年収を上げる選択肢|がんばる前に環境を変える
まとめ
この記事の要点です。
- 平均(460万円)より、中央値(約350万円)の方が実態に近い
- 平均より低い人は約6割。届かなくても、まったく普通のこと
- 比べるなら、全体ではなく「同じ年代・近い立場」と
- 現在地は、落ち込むためじゃなく、次の一歩のために知る
自分の現在地が分かったら、次に気になるのは「じゃあ、どうやって上げていくか」ですよね。次回は、年収を上げるための具体的な選択肢について、私の経験も交えてお話しする予定です🐱

